宇宙戦艦ヤマト2199 第6章 「到達!大マゼラン」感想Part2 [宇宙戦艦ヤマト2199]

第六章感想の後半行きます。^^
ネタバレ全開ですので、未見の方はご注意ください。

第21話「第十七収容所惑星」
激戦を終え、傷ついたヤマトでは戦死者の宇宙葬が執り行われます。送られる棺にはザルツ人442部隊の女兵士のものも見えます。
沖田の弔辞も「目的は違えども死力を尽くして戦った両軍兵士の魂に安らぎを・・・・」となっていて、「地球のため命を懸けた全ての勇士・・・」とあった1974とは明らかな違いがありますね。
こういった視点は第10話のEX-178との協力でも触れられたことですが、21話と22話を通じて、それを一歩進めて、直接に敵対するものであっても、その精神のありようを垣間見て理解するというエピソードがちりばめられています。
一方次元潜航艦の中で目覚める雪はユリーシャと間違われて拉致されたことはすぐに気がつくようですが、
彼女がが積極的にユリーシャになりきろうと考えたのは、収容所所長のいわれ無き暴力からノーラン君を助けることが動機のようです。(雪が偽者とわかればノーラン君自身の立場はますます悪くなるでしょうし)
雪のお世話係りはエリーサ・ドメルさん。上手く人物配置してますが、この時点でドメルが散ったことは彼女に伝わっているのでしょうか・・・

一方ヤマトも物資の補給のため奇しくも同じ惑星へ(^^;
上陸前の偵察任務を命じられた古代はコスモシーガルに同乗してきたユリーシャに雪が目的の惑星にいることを告げられます。
それを聞いた古代は沖田に報告することなくユリーシャと共に惑星へ向け発進。いよいよ主人公らしい活躍が見られるのか・・・
しかしコスモシーガルには先の戦闘で死んだと思われていた伊東と藪が隠れており、古代とユリーシャに銃を突きつけます。
この2人何がしたかったんだろう、もうここまで来てイズモ計画派の立場は無いし、営倉がイヤだとしても宇宙の真ん中で何処へいけるわけでもないのに。
あと、ここでの、
藪  「森さんにコスプレなんかさせちゃって( ・∀・)-3)
古代「いや、その人は森君ではなくて・・・」
伊東「わかっています、宇宙人、ユリーシャでしょう?」
古代「違うんだ、いや、そうなんだが・・・(・ω・`)」
みたいなベタなコントは好きだ。薮よコスプレって良くぞ口にしたなw コスモシーガルを舞台に選んだのは、こういう狙いもあったのかね。
結局、薮が銃を暴発させたのが原因でコスモシーガルは不時着し、4人は収容所へ連行され、反体制派となったメルダ達がおこした反乱に巻き込まれるわけですが、混乱の中、伊東の退場は唐突だったですね。イスカンダル懐疑派の自分としてはちょっと寂しかった。それでもいまわの際には、一緒にいて守る形となったユリーシャに地球のことを託し、それに対してユリーシャも応えるようなそぶりを見せるので、何がしかの影響を与えるのかも知れません。
このあたり、イスカンダルに対して我々が救うに値する存在か見て欲しい、と言った沖田に対して、自分も含め、大きな犠牲を払ったヤマトに対して、イスカンダルもその責任を果たせ、と言っているように思えます。
私は沖田艦長なんかと違って凡人ですので、救済する力と意思をもった存在たるイスカンダルは、そういった態度を持っていて欲しいなと思ってますが。
一方古代は雪を発見するも、再び次元潜航艦で連れ去られるのを見ているしかなく、今日も「ゆきぃーー!」と叫ぶだけの簡単なお仕事。そして机をドン!(ハイ消えた~)
そして古代はユリーシャから雪の連れ去られた先はガミラス本星であること、そしてヤマトの目指すイスカンダルはガミラス本星との双子星であることを告げられるのでした!!!ジャーン。
もし2199で初めてヤマトに触れて、このシーンで初めて事実を知った人がいたら、どえらい面白いだろうなぁ・・・
いや、亜空間ゲートネットワークとかのくだりでヤマトがガミラスにどんどん向かってきているという説明はあるわけだし、それは無いか(^^;

第22話「向かうべき星」
22話は主に雪の視点を通じてガミラス側の思惑や事情が語られます。
収容所を開放したガル・ディッツら反体制派とヤマト幹部との会談が行われ、ヤマトにはガミラスとイスカンダルについて色々な情報が得られたようです。
ただ、大事すぎていろいろネタバレしそうたからなのか、沖田の艦長日誌に形を借りたナレーションだけで済まされていますが(^^;
それはいいとして、会談の席にいたエリーサさんと沖田の会話が無かったのが残念。それを想像するのも楽しいけれど、ドメルという男の物語を締める場面として、総監督がどのような場面を用意したのかにすごく興味があったんだけど。
また、ガル・ディッツはいつの間に明確にデスラーに叛旗を揚げたことになってるのかな?収監の原因はデスラー暗殺事件なんでしょう。罪状は晴れないのか。まぁ、それを(親衛隊派の言いなりになって)きちんとしないデスラーに対して愛想をつかしたということかも知れませんが。
デスラーに敵対することでは共通する両者ですが、共闘までは叶わず(そもそもヤマトは積極的にガミラスと戦いたくは無い)、連絡将校としてメルダをヤマトへ残し、彼らは旅立って行きます。

一方、雪はユリーシャとしてデスラー総統と会見します。
しかし21話から前兆はあったが22話はかなり作画が微妙です。このシーンの冒頭、遠目に見えるデスラーなんか髪形がアフロに見えたわw
今までがまさに劇場版レベルだっただけに残念です。最終章はふんばって欲しいです。
会見の帰路、雪はガミラスから見上げたイスカンダル星を「月」と口にしてしまい、お付のノーラン君にニセモノであることを気付かれてしまいますが、彼は身分がどうあれ雪に崇拝の感情を抱いている様子。膝枕上死フラグか・・・
宿舎?に着くとセレステラが待っており、雪とお茶することに。
お茶の給仕をするヒルデ(メイドコスVer.)やノーラン、そして自分もガミラス生まれではないことを明かし、それらの人々が種族を超えて同じガミラス人として強力な統治の下、恒久な平和を享受する。それこそが真の救済であると語ります。(これをパクス・ガミラーナといいます。試験に出るのでおぼえておくよーに)
デスラーはそれを実現できる人物であり、自分では何もせず、ただ試すだけのイスカンダルとは違うとも。
セレステラがスターシアを嫌う理由はこれだったのですね。
しかしセレステラがデスラーの志を語る背景では、デスラーが籠の中の青い鳥を縊り殺す様子が描かれます。青い鳥の象徴はイスカンダルか、ガミラス国民そのものか・・・いずれにしても彼女には大きな失望と不幸が待っていそうです。
ドメルの国葬が挙行され、デスラーは会場を埋め尽くす国民に向け、ガミラスとイスカンダルとの「大統合」を行うことを発表します。古に2つに分かれた民族が長き時を超え再び一つとなる「大統合」、それはガミラスにとっての宿願であり、未来に向けての「希望」となるもののようです。
デスラーにとってのユリーシャを手中にする目的は、第三皇女たるユリーシャが「大統合」を承認したという既成事実を国民に信じさせることにあったのですね。
文化的にガミラス国民の崇拝を受けており、救済を名目にいろいろとちょっかいをも出してくるイスカンダルという存在は、デスラーにとって目の上のたんこぶのような存在なんだろうな。大統合という名目で取り込んでしまうのが波風立てずにイスカンダルを無効化する戦略ということでしょうか。

ヤマトでは古代が南部の提出した森雪の救出作戦案を却下してしまいます。前回、ユリーシャを乗せたまま収容所惑星へ行くような行動を見せた彼ですが、その性格から、ともすれば公私混同となるような作戦は認められなかったのでしょう。
しかしその後、コスモゼロ格納庫でやっぱり「今週の壁ドン!」をやってましたけど。
そんなやさぐれ戦術長を尻目に、食堂では山本玲、メルダ、ユリーシャが奇妙な女子会。
マゼランパフェをつつきつつ(オムシス直ったんだね。)コイバナに興じる3人娘のシーンは劇場での初見ではさすがにいかがなものかと思いましたが、奇しくも地球人(それもいろいろあったらしいマースノイド)とガミラス人、イスカンダル人がこうして親交を深めるさまは、政治的戦略としての「大統合」なんてものではなく、身体感覚としての「融和」の象徴なのかもしれません。
いよいよイスカンダル、そしてガミラス本星のあるサレザー星系への最後のワープを前に、沖田はクルー達にあらためてこの旅の目的を語ります。
「イスカンダルは希望であり、その希望をヤマトが携えて帰ることを地球は待っている。」と。
ワープを終えたヤマトは静かな星系内を進みますが、そこへデスラーが遷都のために用意された「第二バレラス」から放った謎の光条が迫ります。
この光線、タラン(兄)が言ってた波動砲と似た新兵器なのかな?、それとも・・・
またこのシーンでのBGMは「さらば」で使われた「デスラー襲撃」でありまして、ヤマト楽曲の中でも屈指の名曲だけに盛り上がることこの上ないです。
(彗星帝国のフレーズが入っているところが違和感ありといえばありですが)
かつてない引きのシーンで終わった第6章ですが、次回第23話のタイトルは「たった一人の戦い」。たった一人とは誰?普通に考えれば雪ですが、独り彼女を救出に向かう古代かもしれない、いやもしかしたらデスラーのことかも知れませんね。
遂に完結する第7章「そして艦は行く」は8月24日公開。
では。
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エインセル

前回に続き、大作の感想執筆、ご苦労様です。

今回の第六章、観終って色々な思いを持ちましたが、一番にきたのが
「尺(時間)が足りないなあ~」というのでした。
第三章の辺りから、「一話辺りの情報量は第一作より桁違いに多いけど、26話で全て語れるの?」という不安を漠然と持っていたんですが、その不安が今回、見える形で出てしまったなあと。

映像的には文句の付けようがないんですが、展開や状況等、舌足らずな感のある七色星団の戦い、人員整理感のある、伊東や藪の退場、ナレーションで済まされてしまった、沖田×ディッツ会談等々・・・
TV放映の影響か、制作側の時間の無さを感じさせる、人物作画の不安定さと相まって、それらが気になって、これまでより本編にのめりこんで見れなかったのが、残念でした。
まあ、なんやかんや言いつつも、最後まで見とどけるのは決めてますけど。

個人的には、収容所惑星で、古代守らユキカゼのクルーも収容されてて・・・というのを予想してたんですが、いませんでしたね。

話は変わりますが、TINAMIでボーファイター、ランキング1位になってましたね、おめでとうございます。
by エインセル (2013-06-23 16:23) 

竹下

相変わらず楽しく読ませて頂きました!
ヤマト食堂での女子会3人も喫茶ヒルデの女子会3人(^ ^)も前部違う星の人間というのが面白かった。
セレステラはちょっとかわいそうですね、デスラーが手を差し伸べたのも貴重な魔女だからでしょうし。

>もし2199で初めてヤマトに触れて、このシーンで初めて事実を知った人がいたら、どえらい面白いだろうなぁ・・・

うちの妻と子供達がまさにコレなんですよ。
いまからその時が楽しみ!
by 竹下 (2013-06-23 17:30) 

のあ

たった今、観て帰ってきたところなのですが今回はイロイロ予想を裏切られた感じです。
旧作では大きなウェイトを占めていた七色星団の艦隊決戦も雪拉致の陽動の様に感じられた印象ですし、矛盾点を解消する為に理屈を並べた感じで、有無を言わさない(イイ意味で)強引な感じもスポイルされました。それでも充分楽しめましたけれども。
いろいろエピソードを盛り込み過ぎて尺が足りなくなるのは致し仕方ないかもですね。(TV版ではさらに尺が足りなくなるようですし・・・)
あとどうでもいい話ですがガトランティス人は本当に蛮族なんですね(笑)

by のあ (2013-06-23 23:15) 

雪風

長文感想、読み応えありました。

七色星団の戦いは、確かにもっと長い尺で見たかったですね。他にも色々ありましたが、個人的には十分に満足でした。それにしても、森雪拉致というエピソードが出てきて、果たしてどうなっていくのか分からなくなってきました。それと、旧作では古代守がイスカンダルにいましたが、これもどうなってるんでしょうね。2199版では無い気がしてますが。。。

いずれにしても、次回でいよいよ完結ですね。どういう具合に話を決着させるのか、今から実に楽しみです。
by 雪風 (2013-06-24 19:45) 

ちょうぎ

エインセルさん、こんばんは^^
ほんとに19,20話の映像は素晴らしかったですね。
ファンのわがままですがそれだけにもっと見たかったなぁと。
尺が足りないのは同感ですが、7色星団戦での「説明不足」はけっこう意図的なものかなと。
1974ではドメルが戦闘機隊に物質転送機を使わない作戦意図等を細かに説明しているんですよ。
そういったところはわかっていてあの演出としたら、わかりやすさよりもテンポを重視したのかなぁと。

ボーファイターは実質3日で作ったのに予想外に高評価でビックリです(^^;
TINAMIってけっこうスケールモデルも人気あるんですね。
by ちょうぎ (2013-06-24 23:31) 

おーた

バルジ大作戦まで頂いちゃうとは思わなんだ。あ~ビックリした。
あーいうことをやられるとそっち方面に気を取られて困っちゃうんだよね~。
とにかく、いろんな作品からの引用が多すぎ。
楽しいっちゃ、楽しいんだけどねえ。

というわけで、やっと観てきましたよ。

沖田さんのナレーションだけのシーンは最初の松本零士の漫画を思い出しましたよ。
あれで終わんなくて良かった良かった。

ひおあきらの漫画も読み返したくなりましたぞ。
持ってる?ワタシャもうない。
by おーた (2013-06-24 23:41) 

ちょうぎ

竹下さん、ありがとうございます^^
2回の女子会の構成とか、陽動という点でメ号作戦と七色星団戦が対になっているとか、直接説明せずに製作側の意図を語る演出が大人ですよね。

是非ご家族にサプライズ!が訪れますやうに(^^)/
by ちょうぎ (2013-06-24 23:47) 

ちょうぎ

のあさん、こんばんは^^
矛盾点の解消はまぁ、作品全体の品質を上げるために必要なことなんでしょうね。
完璧に理屈付けする必要はありませんが、フニャフニャな世界観の中で何を語っても胡散臭いだけだと私は思います。(某超人気漫画とか・・・)
でも、
>良い意味で強引な感じ
古代の性格とかですねw
あれは2199見てから1974見るとほんとギャップが大きくて楽しいですよね。
by ちょうぎ (2013-06-25 00:14) 

ちょうぎ

雪風さん、ありがとうございます^^
雪の拉致っていう創作はほんと良いアイデアだと思います。
これでガミラス側とヤマト側の直接的なかかわりが出来て、いままで細かく描いて来たガミラス側の物語がより生きてくると思います。もう古代の唐突な「愛し合うべきだった!」の演説は必要無いでしょう。

古代守の生存は無い!と言い切っちゃいます。(個人的に)
今回男女の愛はヤマト内にいっぱいあるし、もし生きててスターシアとよろしくやってたりしたら・・・
「こんな結末、認められるかよっ!」です。(^^;
by ちょうぎ (2013-06-25 00:17) 

ちょうぎ

おーたさん、こんばんは^^
まだまだ知らない引用もありそうですね。
でも、ほとんどの引用は、知っていたらニヤリとするけど、知らなくてもその台詞、シーンがストーリーに自然に溶け込んでると思います。

ひおあきらのは持ってますよ。つか去年古本で買い直しました。
ここからの引用も沢山ありますもんねw
今は聖悠紀版が読みたいす(^^;
by ちょうぎ (2013-06-25 00:27) 

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