宇宙戦艦ヤマト2199 第5章 「望郷の銀河間空間」感想その2 [宇宙戦艦ヤマト2199]

暴走気味に宇宙戦艦ヤマト 第五章 感想その2、いきます。

ネタバレ上等で書いてますので、未見の方はご注意下さい。

17話-記憶の森から-
ビーメラ4で手に入れた波動コアには一挙に3万光年を跳躍し大マゼラン雲に至る亜空間ゲートの情報が収められていた。
ヤマトの旅の遅れを一気に取り戻す仕掛け。ここに来てそれがご都合主義的に感じられないのは、これまでに丁寧に(1974での矛盾も含め)状況や設定が説明されてきた賜物でしょう。
そして亜空間ゲートの管理者は「ガミラス」。
あまねく知的生命体の救済活動のためイスカンダルがこのゲートを作ったとすれば、ガミラスはそういった技術面を担当する種族だったのかな?

波動コアの情報に従い亜空間ゲートに到着するヤマト。しかしこれをを使用するのにはシステム衛星での再起動が必要だということで、真田、古代、雪が作業に向かいます。
しかし人選がおかしかないか真田さん、古代は護衛としてあとはアナライザーだろJK。
衛星内部にはレトロなロボットが巡回中。このロボットがエピソードの下敷きになった1974の第18話「浮かぶ要塞島!!たった二人の決死隊!!」に出てきたものと同じデザイン。クスリとさせられるファンサービスですね。(^^)

雪は前話で伊藤に突きつけられた、自分がユリーシャかも知れない、という疑惑に悩んでいる様子。
その疑惑は中原中也の誌「汚れっちまった悲しみに」を雪が知っていたという事実と、真田が真実を明かすことにより晴らされます。
ユリーシャと雪は1年前に同じ事故(テロ?)に巻き込まれ、雪は記憶を、ユリーシャは意識を失ってしまっていました。
そのためにイスカンダルの正確な位置はわからず、ユリーシャはヤマトの自動航法装置に安置され、その記憶を元にヤマトの航路は決定されていたのでした。
その事実を知っていたのは真田と沖田のみ。これに関してユリーシャに対する措置は随分と非人道的なことという論調で語られていたけど、私にはそれほどのことかいな、という気がしました。
脳髄だけにして生体コンピューターにしているわけでもなく、確かに彼女の同意は取れてないけれども、ある意味彼女の使命を果たさせるための措置でもあるんだし、そんなに酷いことかなぁ、という感覚でした。(私が鈍感なのか)
それよりも記憶を失った女の子にその事情も説明せずに放置ってどうなのよ土方さん。
ヤマトの航路が実は定まってない、っていう事実は絶対の秘密にしておかなきゃならないってのはわかるが
(知れたら伊藤や新見で無くとも反乱したくなるぞ)ある意味当事者の雪にだけは教えてあげないと可哀そうだよ。
とはいえ雪とユリーシャがそっくりということも含めて、雪の記憶が戻ることがまだ明かされない物語のキーになっているのかも知れませんね。
ヤマト2199での大きな謎の1つであった雪とユリーシャの関係がひとまず解かれたところで、同じ中原中也の詩集から真田と古代の兄守、それと新見女史の過去に移って行きます。
あの詩集は守の持ち物だったのですね。
前章にもそんな描写がありましたが、新見女史は守と付き合っていました(^-^)
しかし学生時代の新見女史がむちゃくちゃ可愛いのですよ。お花のピン止めなんかしちゃってもー
DSC_0384s.jpg
ただ、メ号作戦の前には別れたそうですが。たぶん守の方から距離をとったんだろうな、新見女史はまだ写真持ってるし。
するとあっちでああなってるとするといろいろややこしいな、もう尺もないはずだろうにどうするんだろ(^^;
1974じゃあ随分迷ってましたが、今回はあっさり中枢に到着する一行。
そこで古代と雪を置きざリにして、起動作業をスマホ?で行う真田さん。しかし、起動の瞬間に真田いる部屋は中性子で満たされてしまうことが判明。
だから人選は良く考えろと(ry
そんな中、真田は守ると自分のことを静かに語ります。二人は親友でした。それは詩と方程式という関係。ええと、すみません。よくわかりません。
真田からは古代に対しての自責の念が語られるのですが、1974のエピソードとは少し形を変えてメ号作戦が囮作戦であったという設定が生かされています。
メ号作戦の真の目的を知っていたのにそれを守に伝えられなかったことで、自分が親友を死地に赴かせたと悔やむ真田に古代は「兄はそれでも行ったと思います」と答えます。
親友である真田がそれを思わないはずはありません。しかしそれをたった一人の肉親である古代に言われたことで真田はどれほど救済されたことでしょう。
真田が亡き親友につぶやきます。「古代、お前の弟は立派な男になったよ」(うるおぼえ)
「兄は、兄はどんな人だったんですか?教えて下さい!!真田さん!!」・・・(´;ω;`)ブワッ

結局、真田さんは中性子を部屋の床に溜まっていた水に潜ることで遮蔽し、事なきを得たのでした。
(確かに水は中性子の遮蔽物として理想的ではあるのだけど・・・)
ヤマトに帰ったあと中原中也の詩集を古代に渡す真田さんですが、古代はそれを拒みます。
これはあなたが持っているべきだ。なーんてことを台詞で言わせない演出が素敵です。

2199独自の伏線回収や1974の矛盾の解決をしながら、ヤマトの芯となるような大切なエピソードはしっかりと描いている素晴らしいアレンジだったと思います。

18話-昏き光を超えて
ドメルは軍事法廷で総統暗殺の首謀者として死刑の判決。
ヒス副総統の服装が1974の第21話「ドメル艦隊決死の挑戦状!!」の時と一緒だぁw
こんなの前日に復習してないとわかんないぞ。

ヤマトでは再起動した亜空間ゲートの突入の準備を進めています。
しかしなんといってもゲートの管理者は「ガミラス」何があるか(あるでしょ)わかんないのでまずは偵察ということに。
偵察機はシステム衛星に放置されていたツヴァルケ。メルダの乗ってたのと同型だが、まあ、軍用機ってのは2-30年は現役だったりするからね。
志願したパイロットは篠原。
ここで山本玲ちゃんが「偵察は戻ってくるのが任務」と。お兄さんの明生は帰ってこなかったからね・・・
実は篠原はその明生にパイロットとして憧れていて、今回の任務にも明生と同じ「ソード3」というコールサインを付けているという関係があるのでした。
ちなみに343空のソード3。元ネタはこれ。
Wikipedia 第343海軍航空隊(剣部隊)
発進する篠原機、偵察に与えられた時間は180分、それが過ぎればヤマトは迂回航路でワープしてしまいます。
ゲートを抜けた篠原機はガミラス艦艇で埋め尽くされた宙域に飛び出します。
デスラー暗殺の後、ゼーリックがバラン星で大規模な観艦式を行っていたのでした。
ヤマトのワープまで残り時間あとわずかになる中、篠原はマゼラン星雲へ繋がるゲートの存在を確認し、帰還しようとしますが不審な行動に攻撃を受けてしまいます。
ここで1974の第4話「脅威の世界!!光を飛び越えたヤマト!!」の山本機帰還エピソードを回収ですね!(^^)
ま、尺の関係なのか着艦シーンは省略でしたが・・・玲ちゃんが必死に誘導するというシーンも見たかったなぁ。
ゲートの向こうには無数のガミラス艦艇居る。この事実を知り当然迂回を選択すると思いきや、沖田は突入を決意します。
「これが沖田戦法!」
大艦隊の中を孤立無援で突破する、というシチュエーション自体は15話のドメル艦隊戦と同じで、またそこを批判している人もちらほら見かけるけれど、実は同じではない。
今回は偵察を行い、作戦を練った上での敢行なのだ、しかし成功の確率は高くない。傍からは無謀な戦いのようにも見える。
しかしヤマトの目的はただ生き残ることではない。全地球の存亡をかけて、1年以内にコスモリバースシステムをイスカンダルから地球へ持ち帰ることだ。そのために亜空間ゲートを使い3万光年を一気に跳躍することはここで散ることを片方の天秤にかけるほどの価値があるのだ。
密集体系のガミラス艦隊の中を突撃するヤマト、ガミラス艦隊は同士討ちの危険をはらんだ状況になりますが、
ゼーリックはかまわず攻撃を指示。
傍らにいたゲールは愕然としますが、あんた10話で同じことやってたよねぇ。まあ、あの時は被害が最大1隻だと計算できているのと、ザルツ人部隊だったのとか、彼なりに判断基準があるのでしょうかね。
奮闘していたヤマトですがやがて傷つき、バラン星の雲の中へ沈み行きます。
これを見て上機嫌の若本 ゼーリックの前に暗殺されたはずのデスラー総統から通信が!
暗殺計画の真の首謀者はゼーリックで(まあ、わかってたが)セレステラが事前に察知していて、暗殺されたのは影武者だった!
ちなみにデスラーはフラーケンの次元潜航艇にいるもよう。前章での総統命令ってこれだったんだ。つくづく無駄な台詞の無いシナリオだな。
ここでのデスラーがかっこいい。最後は若本節まで真似てくれます。すごいなぁもう全員山ちゃんでいいよ。
言葉を失い、取り乱してなおもクーデターを続行しようとするゼーリックですが、突然後ろからの銃弾に斃れます。
撃ったのはあのゲール。「逆賊が!」と言い捨てるゲールの行動はデスラーへの純粋な忠誠か、失脚した上司を切り捨てる計算か。
この隙を突き、ってことではないでしょうが、ヤマトがバラン星から浮上!一気にゲート前まで駆け抜けて反転し、波動砲を発射します。
「当らん!」と余裕のゲールですが、狙いはガミラス艦隊にあらず、バラン星の中心にあるゲートシステムのエネルギー機関なのでした。
そして重力アンカーを解除したヤマトは波動砲の反動でゲートへ突入します。あぁ、新米の数少ないは活躍の場が・・・
波動砲の直撃を受けバラン星は多くのガミラス艦艇とゲートシステムを道連れに崩壊するのでした。

そしてゲートを抜けたヤマトの前には大マゼラン星雲の煌きが広がっているのでした。

バラン星突破のエピソードということで、1974の第20話「バラン星に太陽が落下する日!!」にあたります。
全天に展開するガミラス艦隊の迫力は劇場で見てよかった!と実感しましたねぇ。
また音楽の使い方が素晴らしかったです。
最初のゲート突入からバラン星へ沈むまでは2199のNewアレンジである「ヤマト渦中へ」なのですが、後半の復活から波動砲発射に至るところはオリジナルの「ヤマトのテーマ」が流れるのです。
ここぞ!ってところでの音楽の絶妙な使い方に鳥肌が立ちました。
また、今回の展開によって、その強大な軍事国家ぶりか描かれるにつれて増していた、「ヤマトはどうやってガミラス帝国に打ち勝つのか?」という疑問についても、戦略的に解答が用意されました。
ゼーリックによる観艦式挙行でバラン星に終結していたガミラスの予備兵力はすべてゲートシステムの崩壊によりヤマトから見てはるか後方へ置き去りになってしまいました。
ヤマト自身はいまだに知らないことですが、イスカンダル=ガミラスまで、戦力の空白地帯を往くことになるのでしょう。
次章ドメルがヤマトへの決戦に空母4隻と旗艦のみで臨む状況も見事に理由付けられました。
第五章は伏線の回収もありいろんな要素がきれいにはまっていて、スタッフの皆さんは頭から煙の出るぐらいこのヤマト2199という物語を考えつくしているのだろうなと感じました。

次章はいよいよ七色星団の戦い!予告にはしっかりアレの姿が(^^)/
yamato2199_B_SEN_19_05_WEB.jpg
公開は6月15日。
では。
nice!(2)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 8

腹ペコ山男

いやあ、2回に分けての濃密な解説ありがとうございました。オリジナルの場面はかなり忘れている箇所があり、ちょうぎさんの熱い解説を読んでああ、そうだったのかあーと納得納得です。(^^)次回はアレが登場しますね。6月がまちどおしい~!
by 腹ペコ山男 (2013-04-20 21:32) 

エインセル

前回に続いて、今回も書いてみます。

17話、亜空間ゲートのネットワークを構築したのは、太古の超文明で、その末裔がセレステラの種族、ジレル、だったはずですが、ゲートの管理者はガミラス、というのは・・・
過去に、亜空間ゲートを巡って、ガミラスとジレルが争い、ジレルが敗北、種族は衰亡した?
そしてガミラスは「イスカンダル主義」を掲げ、勢力を拡大している・・・・・う~ん

システム衛星、元ネタはすぐに判ったんですが、内部の警備はガミロイドだろうなあ、と思っていたら、変わらず彼が担当してるとは(笑)

真田さんが過去を語り、自分の心情を吐露する、というのは第一作と同じですが、2199では、古代守や新見女史との交友が主に語られてるので印象はかなり違いますね。
「詩と方程式のような関係」
詩と方程式、まったく違うものに思えますが、詩は詠む者の心情を文字にしたもの、方程式は、自然や数学の、様々な法則を数式という形で表したもの、という事で、見えないものを、見える形にしたもの、という点では同じです。
真田志郎と古代守、言動も嗜好も異なっていますが、そこからは判らない、心のあり方のようなものは自分と同じだ、というのをお互いに判ったから、二人は親友になったのだ、というような事を真田さんは言いたかったんじゃないかと。
あくまで私の勝手な推測なので、これが正解だ、と強くは言えませんが(苦笑)

18話、篠原の偵察任務とバラン星突破、という2つのエピソード、どちらも良い出来なんですが、反面、篠原の帰還シーンがカットされたり、15話の戦闘シーンとの、状況の違いが判りにくかったり、と1話に詰め込んだ為に、描写が舌足らずな点が出てしまったのが残念でしたね。
ただ、篠原の偵察から、バラン星突破までを一気に描くことで、疾走感や大マゼラン星雲を眼にした感慨が一層、高まったのも事実なので、難しい所です。

今回、亜空間ゲート内の異空間の描写がありましたが、中でも意識がハッキリしていて、時間の経過を感じられたりと、ワープ中の異空間とは違う空間のようで、ワープとは違う系統の跳躍後術のようですね。
にもかかわらず、ガミラスでは、ワープ、亜空間ゲート、共にゲュタムの名が付けられているのはどういう事なのか?
あと、今回、バラン星のゲートシステムを破壊したけど、帰りはどうするのか・・・・

まあ、なんやかんや言いながらも、最後まで付いていくのは、決めてますが。
TVの放映も見てますし(苦笑)
by エインセル (2013-04-21 05:51) 

おーた

なんだかんだで、最終日にやっと観に行けましたよ。
だから、ブログ更新されてるのは知ってたけど読まないで我慢してたの。エライでしょ。

シュワちゃんの新作映画のTVCM、多分ヤマちゃんのナレーションだと思うんだけど、太一郎さんの喋りを真似しちゃったりなんかしちゃってるみたい。

ヤマちゃんのひとり宇宙戦艦ヤマト観たいなあ、聞きたいなあ。

さてと、暇ができたらプレステやろ。
イスカンダルまではもう何度も往復しましたよ。ゲームで。
とりあえず、今宵はゲーム特典のDVDでも観る。
by おーた (2013-04-28 00:24) 

ちょうぎ

腹ペコさん、こんにちは。
ほんとにワクワクしますね~
次は一緒に見ましょうか^^
by ちょうぎ (2013-04-28 12:42) 

ちょうぎ

エインセルさん、丁寧なコメントありがとうございます(^^)/
亜空間ゲートの管理者の件は、超文明の精神的・思想的後継者がイスカンダルで、ガミラスは軍事技術面、ジレルはゴーストハック等の特殊技術の専門使役者なのかなと。
詩と方程式の解釈、納得できました。いや~文学中年ッスねw

帰りはスターシアがなんとかしてくれますよ、きっと(^^;

TV放映も評判良いみたいですし、プラモデルもイケイケな感じでラインナップされていて、夢のようですなぁ。

by ちょうぎ (2013-04-28 12:53) 

ちょうぎ

おーたさん、こんにちは。
この記事、Googleでけっこう上位に来てるんですよ^^
プレステ、やったことないんですよね。
15話みたいな濃いキャラと演出がみられるならやってみようかな。

by ちょうぎ (2013-04-28 12:58) 

kk

うるおぼえ←うろおぼえ
では。
by kk (2013-06-03 18:08) 

ちょうぎ

kkさん。ご指摘ありがとうございます。
うろ覚え、が正しいですね(^^;
記事をきちんと読んでいただいてありがとうございます(^^)/
by ちょうぎ (2013-06-04 01:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。